エアコン暖房が効かない原因は?すぐ試せる対処法と修理費用、信頼できる業者の見分け方を解説

急に寒くなったのにエアコンの暖房が全然効かない!こんなことが起こったら本当に困りますよね。心身ともに大きなストレスになりますし、どうすればいいのか焦ってしまう気持ちもよく分かります。

暖房が効かない原因の多くは、実は専門の業者さんを呼ぶ前にご家庭で誰でも簡単にチェックして解決できることがあるんです。設定ミスやちょっとした環境の問題かもしれません。

この記事では、すぐに部屋を暖かくしたいというあなたの悩みを解決する実践的な情報をお届けします。自分で試せる簡単チェック方法プロの診断が必要な故障の原因安心して修理を頼むための費用相場と業者選びの極意を解説します。

まずは、ご自宅のエアコンの状況がどの段階にあるか確認しましょう。すぐに解決の糸口が見つかるかもしれません。

エアコンの暖房が効かない時にまず確認すべき箇所は?

エアコンの暖房が効かない時にまず確認すべき箇所は?

暖房が効かないと感じた時、最初に確認すべき点は設定と環境の不備です。これらは費用をかけずに解決できる可能性が高いので、業者さんに連絡する前にチェックしてみてください。

運転モードは暖房になっている?

夏以降にエアコンを使う場合、設定が冷房や除湿のままになっていたり、自動運転がうまく冬季の暖房モードに切り替わっていないことがあります。

リモコンの設定温度が低すぎない?

設定温度が低すぎるとエアコンは暖房を効かせる必要がないと判断してしまいます。

温かい空気は部屋の上の方にたまる性質があるため、足元まで暖かさを届けるためには設定温度は25℃以上を目安にしてみてください。

エアコンからぬるい風しか出ない場合はこちらをご覧ください。

風量は強に設定する

風量を自動ではなく強に設定することも重要です。温かい空気を部屋全体に効率よく循環させることで、体感温度がぐっと上がり足元まで暖かくなります。

リモコンの電池も確認

見落としがちな原因として、リモコンの電池残量も確認が必要です。電池が消耗していると本体に正しく信号が送れず、操作が反映されないことがあります。

リモコンを操作しても本体の反応が鈍い場合は、一度電池を新しいものに交換してみましょう。

室内機のホコリが原因かも

室内機の前面パネルを開けて、エアフィルターの状態をチェックしてください。もしフィルターにホコリや汚れがびっしり詰まっていたら、暖房効率を下げている大きな原因かもしれません。

フィルターが汚れていると、エアコンが室内の空気を吸い込む力が弱くなります。熱交換がスムーズに行えず、暖房能力が大幅にダウンしてしまいます。

さらに、設定温度に達しようと無理な運転を続けるため、暖房が効きづらくなるだけでなく結果として電気代が高くなってしまうという経済的なデメリットも発生してしまいます。

フィルター掃除は、掃除機で大きなホコリを取り、汚れがひどければ水洗いをして完全に乾かしてから元に戻しましょう。このひと手間が暖房の効きを大きく改善します。

室外機の周辺環境が暖房効率を大きく左右

エアコンの暖房は室外機が外の空気から熱を集めて室内に運ぶ仕組みです。つまり、室外機が効率よく働ける環境かどうかが暖房能力に直結します。

室外機の周囲に障害物がないか確認してください。空気の吸込口(側面・背面)や吹出口(前面)が、雪や落ち葉、段ボール、ベランダに置いた物などで塞がれていると屋外の熱を十分に集められません。

もし空気の循環を妨げているものがあれば、移動させるだけで暖房の効きが改善する可能性があります。

エアコンの暖房が効かないのは霜取り運転が原因?

エアコンの暖房が効かないのは霜取り運転や凍結が原因?

冬場にエアコンの暖房が効かないと感じる場合、室外機が原因となっていることが考えられます。

特に、暖房が突然停止する現象は故障と誤解されがちですが、霜取り運転が動作している場合があります。

暖房が止まる霜取り運転の仕組み

外の気温が5℃以下で、湿度が高い日や雪が降っている日など低温多湿の状況が重なると室外機内部の熱交換器に空気中の水蒸気が結露し霜として付着します。

霜が分厚くなると室外機が外の熱を取り込む効率が落ちてしまうため、エアコンは自動で霜取り運転を始めます。これは熱交換器を温めて霜を溶かすための運転です。

霜取り運転中は一時的に室外機のファンが止まって、暖房がストップします。

このとき、室内機からプシュー、ポコポコといった冷媒が流れる音がしたり、室外機から湯気が出たりすることがあります。これは霜が溶けているサインであり故障ではありません。

数分から15分程で霜が溶ければ通常の暖房運転が再開されるので、焦らず様子を見て大丈夫です。

雪が降る前にやっておくこと

大雪の予報が出ているなら、エアコン暖房を安心して使うために室外機の周りの荷物を事前に片付けておくことがおすすめです。

雪が多い地域にお住まいなら、積雪から室外機を守る高置台や雪の侵入を防ぐ防雪フードの設置、あるいは外気温マイナス25℃まで運転できる寒冷地向けエアコンへの買い替えも、長期的なトラブル予防策として検討されると良いでしょう。

エアコンまわりの除雪作業の注意点

雪が積もってしまった場合は、除雪作業は必ずエアコン専用ブレーカーをオフにしてから行いましょう。作業の際は室外機の吸込口と吹出口の前方を最低でも30センチ空けるように雪を取り除いてください。

この30センチの空間を確保することが重要なのは、ショートサーキットを防ぐためです。ショートサーキットとは、室外機が吹き出した冷たい空気をすぐに吸込口からまた吸い込んでしまう現象です。

この現象が起こると屋外の熱を効率的に取り込めなくなり、暖房の効きが極端に悪くなります。結果として電気代のムダにもつながってしまいます。

室外機が凍結した時の安全・確実な対処法

大雪や厳しい寒さで自動の霜取り運転でも凍結が解消されない、または室外機全体が雪に埋まってしまった場合、まず雪を取り除きます。そのあと、以下の手順で安全に対処してください。

電源を入れて様子を見る

エアコンの電源を入れ、自動で霜取り運転が作動するのを待ちましょう。

最後の手段としてのぬるま湯利用

自動霜取り運転で解決しない場合の最終手段として、少量のぬるま湯(40℃未満)をそっとかける方法があります。

この際、熱交換器の薄いフィンではなく、凍り付いている底板の氷に静かにかけるようにしてください。

また、熱湯は絶対にやめてください。エアコンを壊してしまうリスクがあるからです。

熱湯をかけると、急激な温度変化で室外機の外装や内部のプラスチック部品、金属部品にひび割れや変形を引き起こす危険があります。

霜取りスプレーの使用は危険

室外機が凍っているのを見るとすぐに熱湯をかけて溶かしたくなりますが、市販の霜取りスプレーを使うのは絶対にやめてください。エアコンを壊してしまうリスクがあるからです。

市販の霜取りスプレーに含まれる引火性の化学成分が、電気部品に触れると思わぬ故障や安全上の問題を引き起こす可能性があるためスプレーも使用は控えてください。

 

暖房が効かないときに業者に依頼すべきサインとは?

暖房が効かないどんなサインがあれば業者に依頼すべき?

設定変更や冬季対策を試しても暖房が全く効かない、または特定の異常なサインが続く場合はエアコンの内部で専門的な故障が発生している可能性が高いです。

特別な知識や工具がないと対処できないため、すぐに専門業者に診断を依頼すべきです。

冷媒(ガス)不足や漏れ

冷媒ガスは熱を運ぶトラックのような役割をしています。配管の破損などによりガスが漏れてしまうと熱交換ができなくなり、暖房は全く効かなくなります。

冷媒回路の修理には、ガス補充だけでなく漏れ箇所を特定して溶接するといった専門的な作業が必要なので修理費用が高額になりやすい傾向があります。

ドレン系の詰まりや破損

冬場でも霜が溶けた水はドレンホースを通じて排出されます。この排水ルートに詰まりが発生すると、室内機からの水漏れだけでなく室外機の内部で水が凍ってファンなどの部品を傷つける原因になります。

ドレンホースの詰まり程度であれば比較的安価に済みますが、ドレンパンの破損など部品交換が必要なケースでは修理費用は18,000円から60,000円前後となります。

電子部品の故障

エアコンの頭脳にあたる基盤や温度を測るセンサー、熱を作り出すコンプレッサーといった主要部品が故障すると電源が入らない、リモコン操作が全くできない、暖房が全く作動しないといった症状が現れます。

エアコンの寿命

家庭用エアコンの一般的な耐用年数は約10年とされています。

ご自宅のエアコンが耐用年数を超えている場合、修理してもすぐに別の部品が壊れてしまうリスクが高くなってしまいます。プロの診断を受ける際は、修理の見積もりと新品への買い替え費用を比較し、費用対効果を冷静に判断することが重要です。

古い機種の場合、修理を希望しても「この壊れ方では直せない」などと言って、不当に新品への買い替えを勧めてくる業者もいます。修理を希望する場合は、可能な作業を提案してくれる公正な業者を選ぶことが大切です。

エアコン修理の費用相場はいくら?

エアコン修理の費用相場はいくら?

故障が確定した場合、次に気になるのは修理にいくらかかるのかという点ですよね。修理費用には大きな幅があるため、事前に費用相場を理解しておくことが金銭的な不安を和らげるための第一歩になります。

エアコン修理費用の費用内訳

エアコンの修理費用は、以下のいくつかの費用で構成されます。

  • 基本作業料
  • 出張費
  • 診断費
  • 技術料
  • 部品代

総額だけでなく、必ずこれらの内訳を細かく確認するようにしましょう。

また、移動距離に応じた実費や時間外の作業に対する割増し料金(基本料金の50%加算など)が別途請求される場合もあります。

故障種類別の修理費用の目安

エアコンの故障の種類別の修理費用の相場を表にまとめました。

故障の種類 修理費用の目安
(技術料+部品代)
原因の例
本体内部やドレンホースの詰まり 9,000円〜27,000円前後 ドレンホース詰まり、簡単な水漏れ
ドレンパン破損/重度のドレン詰まり 18,000円〜60,000円前後 部品交換や内部洗浄が必要なケース
電源が入らない/リモコン操作不可 14,000円〜52,000円前後 基盤、電気系統、センサーの故障
冷媒回路の不具合 27,000円〜78,000円前後 ガス漏れ、コンプレッサー系の重度な故障
その他(診断費+基本技術料) 8,000円〜24,000円 基本作業料や出張費は別途加算

エアコン修理の相場をまとめた記事はこちらをご覧ください。

エアコン修理の悪徳業者を見分ける方法は?

エアコン修理の悪徳業者を見分ける方法は?

エアコンの修理を依頼する際、不当な請求やサービス不足で損をしないよう悪徳業者を見抜く知識を持っておくことが大切です。

悪徳業者を見抜くチェックポイントを解説します。

提案内容が他社と大きく異なる

複数の業者から見積もりを取ったとき、料金は違えど、作業内容はだいたい似通るのが普通です。他社とあまりに違う作業を提案してきたり、不要なオプションを強く勧めてくる業者は警戒すべきです。

正確な原因特定ができていない、または料金を上乗せしようとしている可能性があります。

追加工事料金を事前に説明しない

見積もり段階で相場より安い料金を提示し、作業後に高額な追加料金を請求するのは悪徳業者の常套手段です。

優良業者であれば、修理中に別の作業が必要になる可能性がある場合、事前に追加でいくらかかる可能性があるかを丁寧に説明してくれます。確認しても曖昧な返答をする業者には注意しましょう。

むやみに買い替えを勧めてくる

エアコンの耐用年数(約10年)まで経っていないのに、修理を一切提案せず「もう直せない、新品にすべき」と買い替えばかり勧める業者には気をつけましょう。

まともな業者であれば、お客様が修理を希望する場合に可能な限りの作業を提案するのが一般的です。

アフターフォローや保証がない

修理後のアフターフォローや保証がない業者への依頼は避けるのが賢明です。修理後に何らかの不具合が再発することは珍しくありませんが、保証があれば無償で対応してもらえる可能性があります。

保証がしっかりしているということは、その業者が自分の技術力に自信を持っている証拠でもあります。

まとめ

エアコン暖房が効かないと感じたら、まず焦らずに、自分でできる設定の見直し、フィルターの清掃、室外機周辺の環境整備のチェック項目を試してみましょう。多くの場合、これが迅速な問題解決に繋がります。

自分でできる対策を試すだけで暖房の効きが改善し、無駄な電気代の節約にもつながります。

これらの基本的な対策を試しても問題が解決しない場合は、冷媒ガスの不足や電子部品の故障といったプロの診断が必要なサインかもしれません。

修理業者を選ぶ際は、この記事で解説した費用の相場と悪徳業者の見分け方を比較検討することが安心な取引のために重要です。

当サイトでは、エアコン修理優良業者の条件を満たす専門の電気工事業者を紹介しています。暖房の効きが気になる、または故障が疑われる場合は、ぜひ信頼できるプロの診断と見積もりをご依頼ください。

よくある質問

エアコンの暖房が効かないとき、まず確認すべきポイントは何ですか?

まず確認すべき箇所は、室内機のフィルターと室外機の環境です。フィルターにホコリが詰まっていると暖房能力が大幅に低下し、電気代も高くなります。

また、室外機の吸込口や吹出口が雪や物で塞がれていると、熱交換がうまくいかず暖房が効きません。この2点をチェックし、掃除や障害物の除去をするだけで問題が解決することが多いです。

エアコンの霜取り運転中に暖房が止まってしまうのは故障でしょうか?

霜取り運転による一時停止は故障ではありません。外気温が低いと室外機に霜がつき、効率が落ちるため、エアコンが自動で霜を溶かすために運転を一時停止します。

この間、室内機から温風が出なくなりますが、数分から15分程で霜が溶ければ再開します。異常な異音や水漏れがない限り、焦らず再開を待ってください。

エアコンの故障時、修理を依頼する業者を選ぶ際にどんな点に気をつけるべきですか?

悪徳業者を避けるため、追加工事料金を事前に説明してくれるか、修理後の保証があるかの2点を特に確認してください。

見積もり後に高額請求をしたり、修理後の再発に対応しない業者は要注意です。また、修理を希望しているのにむやみに高額な買い替えを勧めてくる業者にも注意し、複数の業者から見積もりを取って内容を比較検討しましょう。